2025/01/22

【訃報】ジョン・サイクス、65歳で死去

 
訃報

Thin LizzyやWhitesnake、そしてBlue Murder等で活躍した
ジョン・サイクスが癌のため65歳で亡くなりました。

 

 

◆Thin Lizzyでの活躍

ジョン・サイクスは1982年にアイルランドのThin Lizzyに加入しました。
当時バンドは最盛期を過ぎたと見られ、解散の計画も公表されていました。
しかし、バンドのリーダーであるフィル・ライノットは新たなギタリストを探しており、
ジョン・サイクスを迎えることで再びバンドのサウンドを強化することにしました。
 
サイクスはThin Lizzyに加入する前は、
NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィメタル)の
バンドTygers of Pan Tangで頭角を現しており、
彼の卓越したギター技術とメロディックなプレイスタイルが注目されていました。
 
サイクスが加入してすぐに参加した唯一のスタジオアルバムが、
1983年にリリースされた『Thunder and Lightning』です。
このアルバムは、Thin Lizzyのラストアルバムでもありました。
サイクスのハードロック色の強いプレイスタイルがバンドの音に新鮮さを加え、
よりヘヴィでモダンなサウンドに仕上がっています。
特に「Cold Sweat」は、サイクスの影響が色濃く反映された楽曲で、
彼のギターリフが際立っています。
 

◆Whitesnakeでの活躍

ジョン・サイクスは1983年にWhite Snakeに加入しました。
 
サイクスのWhitesnake時代の最大の功績は、
バンドの代表作『Whitesnake (1987)』での貢献です。
このアルバムはWhitesnakeの音楽を世界的な商業的成功に導き、
バンドのサウンドを新しいレベルに押し上げました。
 
サイクスはアルバムのほとんどの曲でギターを演奏し、
曲作りにも大きく貢献しました。
特に「Still of the Night」や「Is This Love」、
「Here I Go Again」などの名曲は彼のギタープレイと
ソングライティングが際立っています。
また、サイクスのギターリフはヘヴィでありながら非常にキャッチーで、
彼のソロは圧倒的なテクニックと表現力のバランスが取れています。
特に「Still of the Night」のギターソロは彼のプレイの象徴的な例と言えます。
 

しかし、アルバム制作中にデヴィッド・カヴァデールとの意見の食い違いが深刻化し、
サイクスは1986年にバンドを脱退しました。
彼がレコーディングに参加したアルバム『Whitesnake (1987)』は
彼がバンドを去った後にリリースされました。

◆Blue Murderでの活躍

ジョン・サイクスはWhitesnakeを脱退した後、
自身のバンドを結成することを決意しました。
それがBlue Murderです。
バンドの結成メンバーには、
伝説的なドラマーであるカーマイン・アピス、
そしてフレットレスベースの名手トニー・フランクリンという
豪華なラインナップでした。
 
Blue Murderは1989年にセルフタイトルのデビューアルバム
『Blue Murder』をリリースしました。
このアルバムはジョン・サイクスのギタープレイと
ソングライティングが存分に発揮された作品で、
多くのファンから高い評価を受けました。 
アルバムはジョンの卓越したギターの腕前だけでなく、
彼のボーカルパフォーマンスも高く評価されました。
 

Blue Murderはアルバムのリリース後、
アメリカを中心にツアーを行いました。
しかし、バンドは商業的成功を収めるには至らず、
トップクラスのセールスには届きませんでした。
1993年に2枚目のアルバム『Nothin' But Trouble』をリリースしましたが、
グランジ台頭などの影響でセールスは厳しいものでした。
1990年代半ばになるとサイクスはソロ活動にシフトし始め、
Blue Murderとしての活動は自然消滅しました。
 

◆Please Don't Leave Me

「Please Don't Leave Me」は彼のキャリアの中でも特に美しいバラードの1つで、
ファンから非常に高い評価を受けている楽曲です。
この曲はもともとサイクスがThin Lizzyに在籍していた時期に書かれ、
1982年にフィル・ライノットとの共作としてリリースされました。
その後、サイクスのソロ活動でも愛され続ける楽曲となりました。
 

Pretty Maidsがカバーしたバージョンも有名ですね。
 
 

◆ジョン・サイクスよ永遠に…

ジョン・サイクスはHR/HM史において欠かせないギタリストであり、
彼の音楽的才能は時代を超えて評価されるものです。
そのメロディアスで情熱的なプレイは、
これからも多くのファンを魅了し続けることでしょう。
 

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